このブログはエアロハウス建築のプロセスを見ていただくことだけが目的ではなく、自分のための備忘録と考えています。非常にマイナーなことまで頻繁にアップしますので、本人以外はなにがなんだかわからない可能性大です。申し訳ありません。

2016年10月10日月曜日

階段1

室内階段の形状と施工について考察。

木で片持ち階段(カンティレバー階段)を作りたいので壁内部に階段を支える構造を作らないといけない。ということで施工用断面図面を書きながら考察

階段断面図:施工図面

現状のアイデア

1) 踏板は90x90の材を1000mmの長さに切り、3本並べ、1000x270x90。踏板の根元の120mmは壁の中で固定される部分。よって実質的な踏板は880x270x90。ただし踏板は先が薄くなるようにテーパーさせる。(最先端は45mm厚とする)。

2) テーパーを考えない状態で、150kgを先端880mmに荷重(=階段中央で300kg荷重)したとき「たわみ」は約1.8mm(から松材を仮定)。 これは75㎏の人が階段中央を下り、体重の4倍の重さが瞬間的にかかったと「仮定」して、中央部で0.9mm沈むというイメージ。これならほぼ揺れは感じないと思う。 また幅が狭いので2人以上同時に同じ踏板に乗るケースも多くないと考えられるのでOKでしょう。(階段は降りるときの衝撃が荷重としてかかるのでちゃんとは計算できないですね。また100kgの冷蔵庫を2人がかりで持って上がっても、冷蔵庫は倒されて運ばれるので、同じ踏板に2人と冷蔵庫が乗ることはないでしょう。)

3) テーパーさせると当然たわみは多くなる。ググって調べたところ、先端の厚みが半分になるようなテーパーだとたわみは約1.4倍つまり先端に150kg荷重したとき2.5mmほどたわむようだ。
(下のリンクのグラフを適当に読み取ってます。先端の厚み半分だと、先端の断面二次モーメントは根元の1/8。よってグラフのr=0.125あたりで読んで1.4倍くらいかと・・・)
http://d.hatena.ne.jp/ryooji_f/20141206/1417877901

※追記
あれ?よく読むと「任意断面での断面二次モーメントを固定端、自由端の断面二次モーメントで線形補完」とあります。厚みを直線的にテーパーしたのと違うよね?と思い、簡易チェック
片持ち固定端X=0からの距離xにおける断面二次モーメントI(x)は
I(x) = I(0) - x/L  ( I(0) - I(0)r  )  で線形近似。
今回の場合に当てはめると、自由端の断面二次モーメント比率 r = (1/2)^3 = 0.125ですが、x=L/2(=440mm)の時の近似I(x)は9/16 * I(0) =0.5625 * I(0)
でも本当の断面二次モーメントは(3/4)^3 * I(0)=27/64*I(0)=0.4218*I(0)
ありゃ、ダメじゃん。けっこうオーバーバリューしてる。
逆算すると、このモデルのテーパーだとx=1/2L(中央)で厚みは82.55%必要(100%から50%まで直線的にテーパーすると中央では75%の厚みしかない)
よってたわみは1.4倍ではすみそうにない。ざっくり880x270x70の1枚板と近似すると(テーパー踏板の中央の厚さは67.5mm)たわみは3.84mmで2倍以上になる。(たぶんこれより少しは良いはず)
・・・これだと揺れそうな気がする・・・

4) その代わりと言っちゃなんですが、階段の手すりの縦格子で踏板同士を連結し階段支持の構造の一部としてつかう。つまり、踏板は1段下の踏板、1段上の踏板とそれぞれ手すりの縦格子を介して連結されている。片持ちの自由端側での連結なので構造的には結構効くはず。縦格子は9mmx16mm or 9mmx22mmほどのスチールフラットバー、間隔は踏板と同じなので270mmピッチ
(ピッチが狭いのでできれば16mmにしたい・・・)

5) 壁の内部は奥行120mm。90x90の角材を横に倒し、踏板を上下から挟むように固定。長いコーチボルトと強力なウレタン接着剤を多用する。蹴上は必然的に180mm=90mm(横に倒した90角の厚さ)+90mm(踏板の根元での厚さ)になる。
横倒しにした90角にt5 30x30のアングルで踏板をはさむように補強、また90角自体は手前に厚さ30mmの材を縦に止め補強。合計で壁の内部厚120mmにする。階段の勾配は蹴上180踏面270で33.7度。14段で2階へ上がる。

6) プレカットの構造間柱と踏板が干渉する部分はそのとき考える。壁は内側の9mm合板と外側の15mmでサンドイッチしに軸組倍率5倍にする必要があるが、階段支持構造を共用すれば余裕だろう。

わかりにくい図面を添付した。黒の点線は壁内部の階段支持構造(奥の90mm。手前の30mmは省略) 黄色の長方形は踏板、マゼンタの長方形はLアングル。